妊娠中、夫が癌になりました。

My husband got cancer while I was pregnant. 30代夫婦のリアル闘病生活

【入院初日】手術について・家族への説明

夫が受ける手術は、腹腔鏡手術。正確には、腹腔鏡下左半結腸切除術、です。
腹腔鏡手術とは、おなかに小さな孔を数ヶ所開け、腹腔鏡のカメラと器具で癌を切除する手術です。長所は、小さな傷で済むため身体への負担が少ない、術後の痛みや運動制限が少ない、美容上良い、出血量が少ない、などです。短所は、開腹手術よりも時間を要す、体位変換により手足を圧迫する可能性がある、などだそうです。
先生より手術の説明を聞き、診察室を出ました。午後からは、家族への説明です。

昼過ぎに夫の両親と私の両親が病院へ来てくれました。両親同席の上で、担当のY先生より説明を聞きました。癌のステージについて、両親が病院へ来た時点で話をしてはいましたが、改めて先生から聞き、重い空気が室内に流れました。
「私が息子の煙草を止めさせなかったから…。」
お義母さんが自分を責めるように呟きました。すると、Y先生が言いました。
「お母さん、若い二人が今から頑張ろうとしています。過去を振り返るんじゃなく、これからの二人を支えてあげてくれませんか?」
厳しい口調でしたが、Y先生の私達に対する気持ちは伝わってきました。
でも、お義母さんの気持ちは痛いほど分かるのです。1年足らずしか一緒に暮らしていない私ですら、夫の癌の原因は結婚生活にあったんじゃないのか、と自分を省みたくらいですから。

病室に戻って明日のスケジュールを確認し、県病から帰りました。
自宅に戻り、自分の荷物をまとめました。夫が入院している間、実家に戻ることにしたのです。妊娠初期で悪阻がひどかったため実家にいる方が安心だし、一人でいるよりかは気も紛れます。
1LDKのアパートの一室は、夫婦二人でいるととても狭いのに、一人でいるとガランとしていて物寂しい。夫の香りの残る布団を抱きしめると、目の奥に留まっていた涙が溢れ出てしまいました。
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