【入院4日目~13日目】手術翌日から退院まで
入院4日目から退院までの経緯を綴ります。
【入院4日目(手術翌日)】
ICU(集中治療室)からHCU(高度治療室)へ移動。
【入院5日目】
尿カテーテルが外れる。
ゼリー等食べてよいとのことで飲むゼリーを買う。
夫の髪を温タオルで拭く。
【入院6日目】
前日にプリンを食べたせいで血液の状態が悪くなり再び絶食。
シャンプードレッサーで夫の洗髪を手伝う。
【入院9日目】
昼食から5分粥
【入院10日目】
朝食から7分粥
【入院11日目】
通常食
【入院13日目】
退院
手術を終えてから約10日での退院となりました。
退院翌日は、栄養士さんへ食事の相談をするため再び来院しました。
次の記事では入院にかかった医療費について書きたいと思います。
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【入院3日目】手術当日~腹腔鏡下左半結腸切除術~
雪が降っていました。
車で行く予定でしたが、タクシーで母と一緒に県病へと向いました。
8時に病室へ着くと、夫は荷物をまとめていました。私の顔を見ると
「おけいはん(私の名前)、なんか紙袋持ってない? 手術が終わったら病室移るって。」
と言ってきました。紙袋を出して一緒に荷物まとめていると、傍にいた母がいつの間にかいなくなっていました。
その後、戻ってきた母が、
「まこちゃん(夫の名前)、けいのことを本当に頼りにしてるみたいやね。病室に来たけいちゃん見て、ほっとした顔になってたよ。だからお母さん、二人の邪魔しちゃ悪いかなと思って席外してたんよ。」
そう言われて、気づかないうちに私達は夫婦になっていたんだと感じました。
8時50分頃、夫の両親も来ていて、手術に向かう夫を見送りました。
9時42分、手術開始。私達は、手術室の前の待合室で待っていました。
待合室には、手術の経過を知らせる大きな電子掲示板と内線電話。手術を行う患者に番号が割り当てられ、番号で電子掲示板に表示された手術の進捗状況を確認できます。夫の手術は順調に進んでいるようでしたが、電子掲示板の進捗状況が止まるたびに心配で…。悪阻がひどかったのもあり、心身ともに落ち着かない状態でした。
13時13分、手術終了。予定より30分早く終わりました。待合室の内線電話で執刀医のY先生に呼び出されました。先生より手術の説明を聞き、切除した腫瘍を見せてもらいました。大きくて、ずっしりと重そうな腫瘍でした。これが夫のお腹に…。
術後、ICUのベッドに横たわった夫に会いに行きました。「麻酔が効いているからまだ目が覚めていない」。先生からそう聞いていましたが、手を握って思わず「まこさん」と声を掛けてしまいました。すると、握った方の手の指が少し動きました。ホッとして、堪えていた涙が零れました。
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【入院初日】手術について・家族への説明
夫が受ける手術は、腹腔鏡手術。正確には、腹腔鏡下左半結腸切除術、です。
腹腔鏡手術とは、おなかに小さな孔を数ヶ所開け、腹腔鏡のカメラと器具で癌を切除する手術です。長所は、小さな傷で済むため身体への負担が少ない、術後の痛みや運動制限が少ない、美容上良い、出血量が少ない、などです。短所は、開腹手術よりも時間を要す、体位変換により手足を圧迫する可能性がある、などだそうです。
先生より手術の説明を聞き、診察室を出ました。午後からは、家族への説明です。
昼過ぎに夫の両親と私の両親が病院へ来てくれました。両親同席の上で、担当のY先生より説明を聞きました。癌のステージについて、両親が病院へ来た時点で話をしてはいましたが、改めて先生から聞き、重い空気が室内に流れました。
「私が息子の煙草を止めさせなかったから…。」
お義母さんが自分を責めるように呟きました。すると、Y先生が言いました。
「お母さん、若い二人が今から頑張ろうとしています。過去を振り返るんじゃなく、これからの二人を支えてあげてくれませんか?」
厳しい口調でしたが、Y先生の私達に対する気持ちは伝わってきました。
でも、お義母さんの気持ちは痛いほど分かるのです。1年足らずしか一緒に暮らしていない私ですら、夫の癌の原因は結婚生活にあったんじゃないのか、と自分を省みたくらいですから。
病室に戻って明日のスケジュールを確認し、県病から帰りました。
自宅に戻り、自分の荷物をまとめました。夫が入院している間、実家に戻ることにしたのです。妊娠初期で悪阻がひどかったため実家にいる方が安心だし、一人でいるよりかは気も紛れます。
1LDKのアパートの一室は、夫婦二人でいるととても狭いのに、一人でいるとガランとしていて物寂しい。夫の香りの残る布団を抱きしめると、目の奥に留まっていた涙が溢れ出てしまいました。
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【入院初日】癌の進行度(ステージ)診断
2月8日、入院の日です。
10時に県病へ行き、入院の手続きを済ませた後、診察室へ。
Y先生より、術前検査の結果を聞きました。
keihome.hatenablog.jp
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結果は、
横行結腸癌ステージⅢでした。
「…。」
私も夫も言葉を失いました。
癌のステージは0からⅣまであって…、数字が上にいくほど重症で…。
知ってはいましたが、目の前に突き付けられた事実に理解が追いつきません。
先生の説明によると、
大腸の壁は内側から順に、粘膜(1層)、粘膜下層(2層)、固有筋層(3層)、漿膜下層(4層)、漿膜(5層)の5つの層で構成されています。
大腸癌の進行度はステージ(病期)で表し、0からⅣに分けられます。
ステージ0:癌が粘膜(1層)にとどまっている
ステージⅠ:癌が固有筋層(3層)までにとどまっている
ステージⅡ:癌が大腸の壁を越えている(漿膜下層(4層)から漿膜(5層)まで)
ステージⅢ:リンパ節に転移している
ステージⅣ:肝臓、肺、腹膜など離れた臓器に転移している
夫の癌は、リンパ節への転移があるものの、他の臓器への転移は見られないため、ステージⅢとのことでした。
「ステージⅢの年生存率は…」
先生から発せられた「生存率」という“死”を連想させる言葉に、私の目から一筋の涙が零れました。
先生は、はぁ、と溜息をつき言いました。
「君ね、もうすぐお母さんになるんでしょ? しっかりしなきゃ。」
そして、
「生存率についてはまた後にしようか。」
と話を切り替えようとしてくれました。
「先生すみません、お話続けてください」
何とか正気を取り戻し、話の続きを聞きました。
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